第二言語習得論

心理的要素が英語学習に与える影響:影響因子仮説を探る

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"「自分は英語が得意ではない」「どうしても文法が難しく感じる」- 英語学習者なら誰しもが一度は抱くこのような思い。しかし、皆さんはそれが実は英語学習そのものに大きく影響を及ぼす可能性があることをご存知でしょうか?本記事では「影響因子仮説」を紐解きながら、私たちの思考や感情がどのように英語学習の成果に影響を与えるかについて考察していきます。自己効力感、モチベーション、学習者の信念といった心理的要素が、英語学習における成功の鍵を握るかもしれないのです。"

影響因子仮説とは何か?

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「影響因子仮説」(Affective Filter Hypothesis)は、言語学者のスティーブン・クラッシェンが提唱した仮説で、心理的要素がどのように第二言語習得に影響を及ぼすかを説明しています。具体的には、学習者のモチベーション自己効力感、そして学習者の信念といった要素が、新しい言語の習得を促進または妨げるとされています。

この仮説によれば、学習者が自己効力感を持っていて、モチベーションが高く、ポジティブな学習者の信念を持っている場合、新しい言語を学ぶ際の「心理的フィルター」が低くなり、学習者は新しい言語の情報をより効率的に吸収することができます。一方で、学習者がモチベーションを欠いていたり、自己効力感が低かったり、ネガティブな学習者の信念を持っている場合、心理的フィルターが高まり、新しい言語の情報を吸収するのが難しくなると考えられます。

また、「影響因子仮説」は、学習者が自分自身についてどのように思い、感じているかが、言語学習の成功を左右するという観点から、英語学習だけでなく、他の様々な学習やスキル習得にも関連する重要な理論と言えるでしょう。

これまで「英語が苦手」だと感じてきた方々も、自己効力感や学習者の信念といった内面的な要素を見つめ直すことで、新たな視点から英語学習に取り組む機会を得ることができます。

次の章では、この「影響因子仮説」の中でも特に重要とされるモチベーションと英語学習との関連性について、詳しく解説します。あなたの英語学習に新たな風を吹き込むヒントが詰まっていますよ。

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モチベーションと英語学習の成功:その関係性

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【モチベーションと英語学習】

英語学習における最大の燃料とも言えるモチベーション。しかし、このモチベーションを維持するのは簡単なことではありません。一体、どうすれば持続可能なモチベーションを保つことができるのでしょうか。

研究によれば、モチベーションは大きく内発的モチベーション外発的モチベーションの二つに分けられます。内発的モチベーションは自己成長や達成感など、学習そのものから得られる喜びによって引き起こされます。一方、外発的モチベーションは試験の点数や他人からの評価など、外部の報酬や認知によって引き起こされます。

そして、「影響因子仮説」によれば、内発的モチベーションが高いほど学習効果は高まります。それはなぜかというと、内発的モチベーションは自己達成感や興味など、学習そのものへの関心からくるものであり、長期的に持続しやすいとされているからです。一方で、外発的モチベーションは一時的な刺激や報酬に依存しているため、持続性に欠けるとされています。

しかし、これがすべてではありません。外発的モチベーションが内発的モチベーションへと転換することも可能です。例えば、始めは試験の点数を上げるために英語を学び始めた人も、学習過程で英語の面白さを見つけ、それ自体が楽しみとなり、内発的モチベーションへとシフトすることがあります。

次の章では、自己効力感というもう一つの影響因子に焦点を当ててみましょう。自己効力感が英語学習にどのような影響を及ぼすのか、そして、それをどう活用すればよいのかについて詳しく探っていきます。

自己効力感が英語学習に及ぼす影響

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【自己効力感と英語学習】

自己効力感、つまり自分自身が目標達成に対して持つ確信は、英語学習の成功に大きく寄与します。自己効力感が高い学習者は、困難に直面しても諦めずに取り組む傾向にあり、結果として学習効果も高まると言われています。

なぜ自己効力感がこんなにも重要なのでしょうか。それは自己効力感が、モチベーション、努力、学習戦略の使用といった学習に関する重要な要素を促進するからです。自己効力感が高い学習者は、自分自身の学習能力に対して自信を持っているため、困難を乗り越えるための挑戦と努力を続けられるのです。

自己効力感を高めるには、まず自分自身の学習達成を祝うことが大切です。小さな進歩でも、それはあなた自身の成長を示す証です。また、他人と比較するのではなく、自分自身と比較しましょう。あなたが昨日、先週、先月よりも成長していれば、それは素晴らしい達成です。

しかし、自己効力感だけが全てではありません。次の章では、自己効力感と共に学習者の信念も学習に重要な要素であることを明らかにしていきます。自己効力感と学習者の信念がどのように連動し、英語学習にどのような影響を及ぼすのか、次の章で探求していきましょう。

学習者の信念と英語学習の進行:相互作用の見方

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【学習者の信念と英語学習】

学習者の信念とは、学習者が自分自身の学習能力や学習経験、学習に対する態度などについて持っている信念のことを指します。これらの信念は、学習者の学習行動やモチベーションに大きな影響を与えます。そのため、自己効力感と並んで、学習者の信念もまた英語学習の成功にとって重要な要素と言えます。

例えば、自分自身が英語を上達させる能力を持っていると信じている学習者は、学習に対して前向きな態度を持つことができます。また、英語学習が自分自身の将来にとって重要であると信じている学習者は、学習を継続するためのモチベーションを保つことができます。

しかし、学習者の信念は固定されたものではありません。学習者自身の学習経験や周囲の環境、学習者が受け取るフィードバックなどによって、学習者の信念は変化します。そのため、自己効力感と同様に、学習者の信念もまた英語学習のプロセスの中で形成され、発展していきます。

英語学習者として、自己効力感と学習者の信念を高め、それを保つためにはどうすればよいのでしょうか。その秘訣については、次回の記事で詳しく解説します。自己効力感と学習者の信念が英語学習にどのように影響を及ぼすのかを理解し、それを最大限に活用することで、あなたの英語学習はさらなるレベルアップを遂げるでしょう。次回もお楽しみに。

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